『て・ぶ・く・ろ』
柊雅史
交差する編み目の一つ一つに、気持ちを編み込んでいく。
丁寧に、丁寧に。
あの人のことを、想いながら。
交差する編み目の一つ一つに、あの人への気持ちを編み込んでいく。
温かな気持ちを編み込んでいく。
あの人を、温かく包み込んでくれるように。
編み上がっていく二つのてぶくろ。
左手用と・・・左手用。
片方は、あの人のもの。もう一つは、自分のもの。
お揃いのてぶくろ。
なんだかちょっと、くすぐったくて、温かい。
「・・・ん、こんな感じかな?」
詰めていた息を吐き出して、楓子は二つのてぶくろを見比べた。
どちらも指が一本一本違う毛糸で編まれている。
この間、間違って作ってしまった二つの右手用のてぶくろも、そうだったから。
・・・でもね、それだけじゃないんだよ。
親指は、茶色の毛糸。
人差し指は、青。
中指は、緑。
薬指は、ピンク。
そして小指は、まだ出来ていない。
編み目の一つ一つに、気持ちを編み込んでいく。
編み目の一つ一つに、願いを編み込んでいく。
丁寧に、丁寧に。
神様に、祈りながら。
小指の色は、赤・・・。
どうか二人の小指を包む赤い毛糸が。
いつか結ばれますように・・・。
>おわり<
短い。まぁ、勉強の合間に作ったのでカンベンして下さい。
楓子ちゃんが一言しか喋らない。まぁ、勉強の合間に作ったので以下略。
盛り上がりもない。まぁ、勉強の以下略。
変。以下略。
そんなわけであのイベントとあのイベントの合間の話です。
バレンタインまで間があるし、勇気の神様を書くには時間が取れないし、今年書かないと二度と書けない話なので。
構想5分、作成20分、読むのに1分。正にショートストーリー。
笑って許してあげて下さい。
では、これにて!
作者:柊雅史