楓子ちゃんとの誕生日 その1
 
2000年11月12日
「う〜ん…プレゼントうまく渡せるかなぁ…」
今、僕が贈り物をしようとしているのは、同じ部に所属している佐倉楓子という娘だ。
彼女と出会ったのは、そう…
 …………1999年5月6日…………

「ヤバイ、練習に遅れる」
とダッシュで曲がり角を曲がった途端、人影が見えたのだが、止まれるわけがなく、
(ドーン!コロコロ、カラカラ………カキーーーン!!)
不運なことに(しかし後からは…)人とぶつかっただけで打球が顔に飛んでくると言う珍事が発生した。
「…っ痛……って、大丈夫?」
「はい、大丈夫です。でも、確かボールが飛んでいったような…」
「あぁ…こ、これは大丈夫、ボ、ボールはここにあるから」
彼女の姿が目に飛び込んできた瞬間、いままでにない緊張と恋心に包まれた。彼女は心配をしてくれているのに、なぜかボールの方に神経がいってしまったし、声は上ずるし、
「え…?そうじゃなくって、顔にぶつかりませんでしたか?」
「あぁそうか、うん、こっちも大丈夫……」
(何言ってるんだ、僕)
「………」
(うっ…間が持たない…)
「あれ?そ、そういえば君、急いでたみたいだけど」
「あ、いっけなーい、私ったら、つい…」
男(?)の勘で彼女が野球部だと直感した。
「あ、あの〜…野球部のマネージャーになるところ?」
「え?そうだけど…どうしてわかったの?」
「いや、その、なんとなく…」
「くすくす、おもしろ〜い」 (←あくまで本当にくすくすと聞こえたかはわからない)
(えっ、何が、なにが起こったんだ)
「私、初対面の男の子とこんなふうに話すことってあんまり無いから」
「えっ、あ、うん」
(うわぁ、完全に俺、上がってる…)
「じゃ、私、先いくね」
「あ…」
(名前聞き損ねちゃったよ・・・まぁ自己紹介で聞くか)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「今日から野球部のマネージャーになった佐倉楓子です。皆さんよろしくお願いします!」
(く〜!かわいいよ〜)
「………です」
「………です」
「渡辺信吾です!!!」
(自分の気持ち丸出しか…)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
…………1999年5月8日…………
(あ、楓子ちゃんだ。どうしよう…声かけようかな……よし勇気を出して…)
「佐倉さん!」
「あら、こんにちは、何か、ご用でも?」
「いや、用ってほどでもないけど…一緒に帰らない?」
「う〜ん…それも楽しいかも…」
「じゃあ、一緒に帰ろう!」
(ラッキー!今日はついてるなぁ)←ぉぃ
「佐倉さんってさ…好きな人いるの?」
(ぐ、考えても見ないことが勝手に(泣))
「…ええっと…今のところはいないかな…」
「僕はもう見つかったかな…」
「え?う〜ん誰なのかなぁ」
(なるほど匠には楓子ちゃんは恋に奥手だと言っていたけどやっぱりこういうことには興味あるんだなぁ)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 もちろん最初はただの話し友達みたいなかんじで、僕にとっては不満だったわけだが、だんだんと親しくなっていっているような気がした。そして…、(仲良くなった過程は別のSSで)
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…………2000年11月14日…………
「あぁ…ついに楓子ちゃんの誕生日か…ちゃんと渡せるかなぁ…あっ!楓子ちゃんが来た」
「あ…楓子ちゃん!」
「えっ…渡辺さん、なにか?」
「ええと、誕生日おめでとう!はいプレゼント」
「あ…ありがとう…!う…嬉しいなぁ。あけてもいい?」
「もちろん!」
「わぁ、ありがとう!前から欲しかったんだ、これ!」
(よっしゃー!!!成功だ!!!)
to be continued
 
 

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△あとがき▽
 う〜ん、やはりまだ人生16年だけあってとても有り有りなシナリオになってしまいました。
 終わりもなんだか味気ないし、すっきりしないし…何かアドバイスのメールでもいただければ幸いです
 なぜ今回主人公を自分にしたかわ2話を見ればわかります。
 2話・・・楓子ちゃんとの誕生日その2もヨロシク!12月15日の予定で?す
 なぜ12月15日かは勘のいい人ならわかると思います!
 
 


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