佐倉さん&守る会の方々
お誕生日おめでとうございます

一年ぶりに佐倉さん出演のSSを書かせて頂きました。
前回での暴走ぶりは大変申し訳ありませんでした
m(__ __)m

佐倉さんを中心としたお話は恐れ多くて書けませんので
今回は主人公主観のお話となっています。

佐倉さんの性格・しゃべり方等、作者から見た佐倉さんとなっている為
お見苦しい点などございますが御了承下さい。

また投稿以前にふぇありーちゃっとで公開&感想とかいただいて
注意点を受けたんですが・・・・・
一度”完成”と思ってしますとそうそう直せませんでした
野球に詳しい人にとっては”おや?”と思う点が多々あるかと思いますが御了承下さい

なお
守る会の某妹関係萌えな方々へ
一切の苦情は受け付けません!
・・・・・・何がって?
それは読んでからのお楽しみです(^^;

 

ひびきの高校を卒業から4年後
俺はプロの誘いを断わって大学に進学していた。
甲子園で優勝しドラフトでも選ばれたが、自分が本当にプロでやっていけるかわからなかったから
プロ入りを断わった
周りは大丈夫だと無責任に騒ぎ立て、幼なじみの光も「君なら大丈夫だよ」と励ましてくれた。
だが、彼女だけは違っていた。
「もし自信がないなら大学に入って力をつけてからでも遅くないと思うよ」
そう言って受話器の向こうから親身になって俺の話を聞いてくれていた。
高校卒業の日、俺は彼女に告白された。
ひびきの高校の伝説の鐘の音に祝福されて

今日は1ヶ月ぶりに彼女とデートする事になっていた。
「楓子の奴、遅いな。時間には正確な方なのに」
時計を見ると約束の時間から30分が過ぎていた。
何か都合が悪くて来れない様なら向こうから連絡がする事になっていたが一向に連絡がない為
待ち合わせの喫茶店で待つ事にする。
三杯めのコーヒーを頼んでから先程まで読んでいた本を再び読みはじめる。
本を読みながら携帯をポケットから取り出しテーブルの上に置いた。
もしかしたら今日は来れないって連絡がそろそろ来るかも知れないな、思いながらもそうならない事を願っていた。

「いらっしゃいませ〜」
店内に客が来たらしく店員の元気な声が店内に響いた。
楓子が来たのかもしれなかったがとりあえずいつもの席に居るからもし楓子なら向こうの方からやってくるだろうと
入り口のほうは見ずに本を読み続けた。
「ゴメンね。地下鉄に乗ってたから連絡取れなくって」
駆け寄ってくる足音と声に俺はようやく顔を上げた。

「・・・・・」
「あれ〜どうしたの?」
楓子はサングラスを掛けた男と腕を組んでいる。
にこにこしながら親しそうにする姿を見て俺は嫉妬していた。
「その人は・・・・」
「えっ、ちがう、ちがうよ。この人は雅史君が考えてるような関係の人じゃないから」
楓子は慌てて男から腕を放し弁解を始めた。
すぐにわかるくらいムッとした顔で二人を見ていたらしい・・・・・
少し気まずい雰囲気の中、最初に声を出したのはサングラスの男だった。
「君が柊君か 話は色々と楓子から聞いてるよ。僕も君には少し興味があったから直接会えて光栄だよ」
彼は楓子と俺に席に座るように進めながらサングラスを外し席についた。
ふと見る彼の顔には見覚えがあった。
「・・・もしかしてドラゴンズの波多野選手?」
俺が洩らした言葉に答えたのは楓子だった。
「そうだよ。ずーっと内緒にしてたんだけど、私の大好きなお兄チャマなの。雅史君が憧れの選手だって言ってたから
ほんとは教えたかったんだけど、内緒にするように言われてたから」
そう言って波多野選手の顔を見る。
お、お兄チャマって・・・・・・・
「ノンプロとプロが交流をはかるのは、まずいけどね」
そう言って俺の顔を見つめる。
・・・・何だかすごく照れくさかった。
「楓子のお気に入りって事で僕としてはもう少し早く会ってみたかったんだが」
「お兄チャマ!」
楓子はそう言って波多野選手の口を塞ごうとする。
「何も恥ずかしがる事はないだろう?もう二人は恋人同士なんだから」
「・・・・恥ずかしいものは恥ずかしいもん」
楓子はそう言って真っ赤な顔でうつむいてしまった。
「確か高校2年になった頃だったかな。その頃から電話で君の話ばかりするようになったのは、多分その頃から君の事を」
「もう、お兄チャマの意地悪」
楓子は頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。
「あの・・・楓子って一人っ子ですよね?さっきからお兄チャマって・・・・」
怪訝そうな顔をしていた俺に波多野選手が答えてくれた。
楓子は俺の方をちらりと見るがまたそっぽを向いてしまう。
「僕と楓子は従兄妹同士なんだ。昔は近所で暮らしていたんだけどその頃から僕の事をお兄チャマって呼んでたんだ。
僕も兄弟がいないから楓子の事はホントの妹の様に可愛がってたっけ」
「嘘ばっかり、お兄チャマ私の事いつもからかってたもん」
2人の会話に楓子が口を挟んでくるが再びそっぽを向いてしまう。
・・・・・・・結構可愛いな、すねてる楓子を見ながらそんな事を思った。
「・・・・・・」
ぼーっと楓子の方を見ていた俺に波多野選手の視線を感じた。
「あっ、そ、そうなんですか。従兄妹ですか」
慌てて言い繕うが、楓子を見て惚けていたのはバレバレだった。
「でも、お兄チャマって呼び方は珍しいですよね。」
「君もそう思うかい?この年になってお兄チャマはないよな」
照れながら白い歯を見せながら笑う。
プレーだけでなくこういった仕草も様になってる辺り見習いたいとつくづく思う。
「お兄チャマはお兄チャマだもん・・・・」
そっぽを向いたままやっと聞こえるくらいの声で楓子が抗議していた。
楓子の様子などお構い無しに波多野選手は話を続けた。
「まあ、お兄チャマってのはさて置き、今日は君に聞きたい事があって来たんだ。
  ほんとはこんな事を選手の僕がいうのはまずいとは思うんだが」
先程の表情とはまるで違う、まるでバッターボックスに立つような真剣な表情で俺に話しかける。
「君はプロをめざしているんだよね」
「はい・・・・」
まさかとは思うが俺をドラゴンズに勧誘に来たのか?
胸の中が期待と不安で一杯になる。胸の鼓動が段々早くなり心臓が張り裂けそうになる。
「もしドラフト前に逆指名をするならドラゴンズだけはやめた方がいい」
・・・・・・えっ
一瞬何がなんだかわからなくなる。
てっきり僕と一緒に優勝を目指そうと言われる事を期待していた。
「もし君が大学卒業後、レギュラーとして活躍する気があるならドラゴンズは止めた方が良いだろう」
「ど、どうしてですか?」
俺の動揺した声に楓子も思わずこちらを向き2人の顔を見回した。
「簡単な事だよ。僕はあと15年は現役で過ごすつもりだ。もちろん今のポジションを譲るつもりなんてない。」
「・・・・」
「君がうちに来れば少なくとも後10年は控えに回されるだろう。例え君でもポジションは渡すつもりはない。
  君がポジションを変えるつもりがあるなら別だがな」
「お兄チャマ・・・・」
・・・・そういう事か
「俺はドラゴンズが好きです。でもそれは波多野選手がいるからであって、チームがすごく好きって訳じゃありません」
「・・・・・・・」
「波多野選手に憧れて、今までアナタを目標に野球をやってきました。でもそれだけじゃ駄目だって事ですよね」
「あぁ・・・」
「他のチームでレギュラーになったら、波多野選手のゴールデンクラブ賞の連続授与記録を止めて見せます」
俺はそう言って席を立ちあがる。
「雅史君・・・・」
泣きそうな楓子の声が俺の胸を突き刺す。
レジで支払いをすまし、二人を残したまま喫茶店を後にする。

店を出ると辺りは、夕暮れで真っ赤に彩られていた。
「本当だったら夕陽をバックに楓子と並んで歩いたんだろうけど・・・・」
今更ながらかっこつけて楓子を残したまま喫茶店をでてった事を後悔した。
一ヶ月ぶりのデートだったのに悪い事しちまった。
後で電話で謝っておかないと・・・・・許してくれるかな?
波多野選手に折角会わせてくれたっていいのにこっちが一方的に切れて飛び出しちまったんだもんな・・・・
「まだまだ俺もガキだな・・・・」
既に朱色から藍色に染まった空を見下げながら駅へ向った。

切符を買う為、ポケットから財布をだしお金を入れる。
ポチッ
横からすーっと伸びた白い手が取り消しボタンを押した。
振り返ると楓子が少し息を切らせながら俺の顔を見ていた。
「置いていっちゃうなんて酷いな」
照れながらぽつりと呟く。
「ごめん・・・・」
色々と言わなくちゃいけないはずなのに言葉にできたのはそれだけだった。
「ううん、今日はどこに行こうか?」
「そうだな。この前夜景が楽しめるレストラン教えてもらったからそこに行く?」
最初から今日のデートはそこの行くつもりだったので、そこまでの切符を二人分買う。
「教えてもらったって誰に?もしかして誰かと行ったとか?」
少しからかうような口調で俺に問いただす。
ほんとは匠に教えてもらったのを楓子に合わせて逆に聞き返す。
「誰だと思う?」
切符を渡し、改札の方に並んで歩く。
少し歩幅の大きい俺が先を進み、改札をくぐる。
「そうだなぁ。陽ノ下さんとか」
自動改札から切符を取りこちらを向いた楓子が冗談半分に光の名前を出す。
「あっ、ばれた?」
「あー浮気はダメだよ」
逃げ出すように先にホームの端までいく。
後から着いてきた楓子はクスクス笑いながら俺のとなりに並んだ。

「今日はごめんね。お兄チャマが雅史君にあんな事言い出すとは思わなかったから・・・・」
「気にしてないっていったら嘘になるな。一緒のチームでプレーできたらって考えてたから、でも・・・・」
楓子は何も言わずに俺の話に耳を傾ける。
「悪い気はしないな。波多野選手が俺の事を認めてくれたんだから、プロに入れば
  憧れの選手もライバルの一人になるんだから今日言われて踏ん切りがついた。
  逆指名はしない、どのチームに行っても自分の持てる力を精一杯出す事にするよ
  ・・・・今度波多野選手にあったら謝らないとな」
楓子は俺の言葉に嬉しそうに頷いてくれていた。
「ところで、」
「ん?」
「楓子は波多野選手と俺がタイトル争いをしていたらどっちを応援してくれるの?どっちもって答えはなしだからね」
ふと甲子園決勝前の楓子の言葉を思い出し今度はなんて答えるのか意地悪してみた。
「そうだなぁ・・・・・耳を貸してくれたら教えてあげる」
楓子がそう言うので楓子の口元に耳が来るようにひざを落とした。
「あのね・・・・」
耳元でささやく楓子の声がふと消える
楓子の右手が耳元から離れ左の頬にそえられた。
右手の力に逆わらす俺は顔を横に向ける。 

”チュッ”

やわらかな感触がそっと触れ、目を閉じて楓子の方を優しく抱いた。
やがてお互いの顔を見る事が出来るくらいまで離れると
「これが答えかな?」
真っ赤な顔をした楓子が俺と目を合わせずに言ってくれた。

Fin


 

・・・・・・・と言う事です.

シスプリ知らない人には何の事やらって感じですが
従兄妹を「お兄チャマ」って呼ばせてる所です。
人によっては楓子ちゃんはお兄チャマなんて言わないと
言うと思うので(^^;<苦情は受け付けない

ときメモ2キャラがお兄ちゃんをなんて呼ぶか?
このネタ思いついたの夏合宿の帰りです(ーー;
うち的にはこれが一番佐倉さんらしいと感じたんですけど?

キスシーン?を書くのはもしかして初めてかも(^^;
姫(美帆ちゃん)じゃ、妄想入りそうできっとできないし・・・・

作品についてのご感想お待ちしてます。
苦情は聞きますが訂正はしませんよ(^^;
あと柊さんから袖の下は頂いてません(藁

最後に長々とお付き合い頂きありとうございました
今後も守る会の方々とは良いお付き合いをしたいです。

白雪FCふぇありーている
HP管理:YKO


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