前注:)このお話は馬鹿な作者が勝手に妄想した与太話です。
    一応HP開設を記念して、貧困な文才をフル稼動させて書いた馬鹿話です。
    苦情・お叱り・こき下ろしメールは良いけど、死ね死ねメール(爆弾添付)は止めて下さい。泣きます、作者。
 
 

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HP開設記念SS
「楓子ちゃんを守る会・設立秘話」

作者:お飾り代表

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・・・それは運命の鐘の音か、天使の奏でる鈴の音か・・・。

 ごずっ!

・・・鐘の音や鈴の音にしては、些か鈍い音ではあったが。

現にリアルタイムでは鐘やら鈴やらなどという可愛らしいものではなく、敢えて言うなら除夜の鐘。

その中に入った状態で108つ叩かれて煩悩が退散しちゃったような、そんな衝撃的な光景がフラッシュバックされた。

込み上げる熱い何か。滲む視界。

・・・アンディ・フグの前ゲリってこんな感じかな・・・。

思いがけずK1戦士の気分を堪能した。

ぐらつく視界の中で、誰かが同じようにスローモーションで倒れ掛かっている。

どうやらこの熱い衝撃は、その人物とクラッシュした物だったらしい。

・・・へ、良い頭突き持ってるじゃねーか・・・。世界を目指さないか・・・?

健康な状態であれば青春拳闘マンガのコーチ的セリフの一つでもかませたのだろうが、込み上げてくる熱い想いに言葉が出て来ない。

熱い熱い・・・想い。

例えるなら黄土色か、赤紫の凶悪な色である。

間違っても踏んでみたいとは思わないような、そんな色だ。

ここでは敢えてその想いの正体は明言すまい。

お食事中の人もいるかも知れないからだ。

 ごっくん。

よし、これで大丈夫。

鼻孔の奥から湧き上る酸味に勝利の味を見出し、僕は二足直立した。

気分は2度ダウンさせられた挑戦者である。

まだだ、まだ僕は燃え尽きていない!

僕の全てを・・・僕の拳を受けてみろ!!

そんな心境で拳を握り締め、振り向き様で良い感じにスクリューが効いた頭突きをかましてくれた相手を睨む。

ヘイ、ボーイ! ナンバショット、スットコドッコイ、アイム・ネイビーね!

そんな小粋なアメリカン・ネイビーなセリフを言いかけた僕だが、またもや言葉が出て来なかった。

何故なら・・・その相手は女の子だったからだ。

ボーイじゃなくてガール。

いや、それはどうでも良い。この際、ボーイでもガールでもマザーでも、Aを取ったら他人ですでも、良い。

あのCM、家族間の会話の減少を皮肉ってるのかと疑いたくなるお年頃の僕だが、今はその論議を語っている場合でもない。

まだるっこしい教え方せんで、otherくらい普通に教えろ、なんて思いもするのだが、今はどうでも良いのだ!!

問題はその少女・・・廊下にぺたんと座り込み、びっくりしたようにきょとんと目を瞬いている、彼女だ。

おかっぱ頭に特徴的な前髪。ふっくらとした印象の可愛らしい顔立ち。

なんかもう、ふんぬぅあ、ぐっふるぅあ〜!(巻き舌)ってカンジに可愛い女の子だったのだ!

・・・な、なんてラッキー!

つい先程、黄土色のバイオハザードに遭遇しかけたのも忘れ、僕はガッツポーズした。

何故なら・・・廊下でぶつかるラプソディ、交じり合う二人のぷれりゅ〜ど、そんな・・・君が某国のスパイだなんて!

それは少女漫画の典型的恋のパターン、世間を騒がすラブコメの王道、一本足打法の王貞治だからだ!!

・・・一部不適切な表現があったことをわびよう。遺憾である!!

とまあ、誰とも知れない妖精さんにゴメンねしてる間に、その子は立ち上がっていた。そして背景にカスミソウか月下美人かスズランの花でも背負いそうな可憐さで、僕を見詰めた。

「ご、ゴメンなさいぃ〜、あの、大丈夫ですか?」

「え、ああ・・・僕は平気だけど。君の方こそ、大丈夫?」

バイオハザードも回避したことだし、僕は根性で笑みを浮かべた。実際は抉るように放たれたコークスクリュー・頭突きに脆弱なる腹筋をしこたま殴打され、内腑の底からマグマの如く半液体状の粒々入り流動物が、喉の蠕動運動を看過しながら脱出口を求めて叛乱を起こしているのだけど。

ようするにグロッキー一歩手前なのだが、人は僕を見栄王と呼ぶ。宮沢にも負けない。

「本当にゴメンなさい〜。私ったら、いっつもドジばっかりで・・・」

「良いよ良いよ、本当に。それより君こそ、急いでいたんじゃないの?」

ここで「ううん」と言おうものなら、お祖母さんの恰好をしてベッドに潜り込む心境でいたのに、残念ながら世の中はそんなに優しくない。

「あ、私ったら・・・急いでたんだっけ」

てへ、と照れ笑いを浮かべるのが可愛い。

マンガなどで「てへ」なんて見る度に、そりゃどんな擬音じゃい! ほんまに「てへ」なんて言う奴は、テヘランにでも行って来い!!

なんて思っていた僕だけど、その前言を撤回した。「てへ」はありだ。「てへ」は良いぞ。

「てへ」はリリンの生み出した文化の極みだよ。(<世界が違う!)

「それじゃあ、私・・・。あの、本当にゴメンね。じゃあね〜」

「あ・・・名前・・・」

ぺこんと頭を下げて駆けていく彼女に、僕は片手を突き出した状態で硬直した。

決して「がちょ〜ん!」とかやるつもりだったのではない。断じてっ!!

つもりではなかったのだが・・・こうなった以上、行き場をなくした右手くんのためにも・・・!

「がちょ〜〜〜〜ん!」

「あの・・・?」

「はぅあ!?」

がちょ〜ん!と往年のギャグをかましたところに、さっきの少女が戻ってきてしまった。

しまった、こんなことなら「この紋所が目に入らぬか!」と、文化的教養を見せつけるべきだった!!

僕は後悔した。もっと時代劇を見ておけば・・・。くぅ・・・。

「あ・・・な、なに?」

「えっと・・・その、お名前、教えてくれますか?」

「え・・・! ひ、柊、ですけど・・・!?」

「柊さん・・・。その、野球に興味、ありませんか?」

「へ、野球?」

そこで気がついた。彼女の手に握られた野球部の勧誘ポスターに!!

「いや・・・興味は、ない、けど・・・」

「そうですか・・・」

しゅん、としちゃうのが・・・うおおおおおおおおお! って叫ぶくらいに可愛い!!

「あの、もし良かったら、今度一度部室の方に来てくれませんか?」

「う、うん・・・気が向いたらね」

「それじゃあ、私はこれで・・・。あ、私、佐倉楓子って言います」

今度こそ駆け去っていく彼女を、僕は呆然と見送った。

佐倉楓子・・・。

か、可愛い・・・っす・・・。

僕の脳裏には彼女の笑顔がフラッシュバックした。

そして・・・野球。

野球といえば、小学生の頃ゴロを処理する時にイレギュラーが生じ、人体の中央付近にかくも過酷な急所が存在するということを教え込まれた苦すぎる記憶しかない。

だが・・・だが、しかし!!

「ふ・・・、入りましょう、君が入れと言うならば!!」

僕はイヤな記憶に脂汗を掻きながら宣言した。

かくして僕は野球部への入部を決めたのだが・・・。
 
 
 

「・・・きゃ!」

職員室に野球部の用事で向かった僕の視線の先で、聞き慣れた悲鳴が聞こえて来た。楓子ちゃんの悲鳴だ。

ああ、またか・・・と思いながら、僕は足を速める。案の定、職員室前では、楓子ちゃんが男子生徒にしきりに頭を下げていた。

・・・野球部に入ってから、僕は知った。

楓子ちゃんが途方もなく、ドジでおっちょこちょいなことを!!

それはそれで可愛いから許す! ・・・のだけど。

問題はそのぶつかられた相手が、男子生徒だった場合だ。

大抵の男子は、その後に必死に謝る彼女の姿と、憎めない可愛らしい笑みとに「ぽ〜」とする。

つまり僕と同じような状態になるわけだ。

それはマズイ。非常にマズイ。

マジで自慢にはならんが、僕は正直運動も勉強も容姿も誉められたものではない。全部40前後だ。なんのことだか知らんが。

そんな僕だから、ライバルの登場は少女漫画の王道で王貞治だけど、歓迎せざる訪問者なのだ。

・・・だから。

「佐倉楓子ちゃんか・・・」

うっとりと呟く男子生徒の背後にこっそり近付くと、伊集院家に忍び込んで失敬した謎の秘薬を取り出す。

噴射式の注射の仕込まれた銃に秘薬をセットし、男の首筋にあてがう。

 ぷしゅ。

マヌケな音がして、男はくたりと倒れ伏した。

ふ・・・、任務完了。

廊下を行き交う生徒が怪訝な目で見てくるのを、言葉の分からない外人のフリして誤魔化す。みんなが揃って憐憫の目で僕を見つつ立ち去るのが気になったけど、僕の好きな言葉は「結果オーライ」である。

僕は倒れ伏した身のほど知らずな男を踵で踏みにじりながら、遠い目をした。

「悪は滅びた・・・。だが、楓子ちゃんの性格から察するに、悪の芽は未だ潰えていないだろう。このままではいずれ、僕の手には負えない事態が訪れる・・・」

僕はそれまでに考えていた名案を実行に移すべき日が到来したことを知った。

即ち・・・楓子ちゃんを守る会の設立、である。

楓子ちゃんのおっちょこちょいな行動と、彼女の先天的な可憐さが生み出す数多の悪い虫を徹底的に駆除し、彼女の純粋さを守るための選ばれた精鋭集団・・・。

そして最終的には僕が楓子ちゃんをGETするために、僕の痛烈な裏切り行為によって滅びの道を歩むことを運命付けられている集団である。
(コラコラ!)

そんな楓子ちゃんを守る会・設立の時がやって来たのだ!

「おっし、んじゃまずは手始めに野球部の部員にでも声をかけてみるかぁ〜!」

僕は気合いを込めて野球部の部室に向かった。

・・・こうして楓子ちゃんを守る会は、設立に踏み切ったのである・・・。
 
 
 
 

かくして、今日もまた守る会の名簿に新たな名前が書き込まれていく。

楓子ちゃんを慕い、愛し、守りたいと願う純情な青少年が、集っていく。

彼らは知らない。

その名が刻まれる「守る会・名簿」の表紙を炙り出すと、この会の本当の目的が浮かび上がってくることを・・・。
 
 
 

「楓子ちゃんを狙う奴等・ブラックリスト」
 
 

名簿には果汁の炙り出しで、そう書いてあったりする。
 
 
 
 
 
 
 

 >楓子ちゃんを守る会・設立秘話:FIN<
 
 


*あとがきのようなもの*

ども、ネット上で物書きもどきやってる柊です。ってことで、開設記念に守る会の設立秘話なんぞをかいてみました。
ちなみにこの話はフィクションです。多分。そういうことにしておこう。
こんな理由で出来た会とか思われたら、脱会者が殺到しかねんからな・・・。
まぁ、我ながらくだらない話を書いてしまったと思います。忙しい状況なんで、やっつけ仕事っぽくなってもうたし。
今度はもっとちゃんとしたSS書くんで、許してね。

まあこの話は「こんなん書いてる奴もおるんやし、俺も書いてみるか〜」という、マイナス志向の見本にでもなれば良いです。
これを励みに絵を描けない人は妄想(電波とも言う)をSSにして書いてみませんか?

もし許されるのなら、今度はもっと時間のある時に、ちゃんとしたSSを書きたいですね。
今回の主役は僕でしたけど、楓子ちゃんを主役にして。
楓子ちゃん主役のラブコメ。・・・だけど、問題はその相手だよな。
僕を相手にすると恥ずかしくて書けないし。でも会員の誰かを登場させると、問題だろうし。
・・・ま、適当な人物をでっちあげよう。

そいでは最後に綾野さん、HP立ち上げおめでとう&守る会のHP作成、ありがと&お疲れ様!
こんな与太話でOKなら、また今度書きますね。
OKじゃなかったら・・・・・・やっぱ書きます。自前でファンページ作る気力、ないっすから・・・。
んでは、感想&お叱り&呆れ文句のメール、お待ちしてます!
こんな話読みたいというネタ提供も待ってます。でも提供するくらいなら、自分で書いて欲しいな。

作者:柊雅史


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